片頭痛の基本的な知識を理解しましょう。
片頭痛は、血管が広がることによって起こる頭痛で、長年にわたって、時々発生する頭痛です。特徴としては、中程度から重度のかなりの痛みが4時間程度から長い場合には72時間以上続きます。
片側のこめかみだけが痛いなど、片側性の性質を有しています。また、心臓の拍動に併せて、一定のリズムを持ち、ズキンズキンと痛みます。
男性よりも女性の方が片頭痛持ちの人が多いという特徴もあります。
頭痛が発生している間は、におい、光、音に過敏になり、それらの刺激によって頭がガンガンとして痛みが増す場合が多いです。
片頭痛は、生活や仕事に支障をきたすほどの強い痛みになることがあります。
また、痛みの発作が起きていない時でも、常に頭が重たいと感じることが多く、ひどい場合には毎日憂鬱な気分になるという人もいます。
片頭痛が発生する前に、目の前がギラギラと眩しく感じたり(閃輝暗点と呼ばれる症状)、目の前が少しかすんでくるなどの、何らかの前兆を感じる人もいます。長年片頭痛に悩まされている人は、前日あたりから、何となく、そろそろ頭痛がきそうだと感じる場合があります。
前兆のある片頭痛と前兆の無い片頭痛があるのですが、前兆の無い片頭痛の患者数の方が多いです。
注意しなければならないのは、少ないながらも、片側性ではなく両側性、つまり両方のこめかみが痛い場合などもあることです。
頭の両側が痛い場合にも、片頭痛の可能性がありますので、くれぐれも勝手な自己診断はしないようにしましょう。
それでは、具体的にどのようにして片頭痛を見分けるのか、これからチェック項目をご紹介します。
編頭痛のチェック項目
以下が片頭痛の特徴です。以下の項目に当てはまる数が多いほど、片頭痛の可能性が高いです。これらの項目にあてはまる頭痛が頻繁に起きる場合は、片頭痛の治療を始めることをおすすめします。
- 頭痛の持続時間は4時間〜72時間くらいである
- 片方のこめかみだけが痛いという片側性の性質がある。両側が痛む場合でも左右に痛みの差がある
- 心臓の鼓動に合わせてズキンズキン、ドクンドクンと痛む拍動性の性質がある
- 痛みの程度がかなり強い
- 動くと気分が悪くなり、仕事や生活に支障がある
- 食欲低下、吐き気、悪心、嘔吐の症状がある
- 匂い、光、音、振動などに過敏になる
- 頭痛になる前に、目の前に違和感を感じるなどの前兆がある
- 頭が痛い時と痛く無い時がはっきりしている(発作性の出現様式)
- 遅くても25歳くらいまでには発症する
- 祖父母、両親、兄弟姉妹にも片頭痛持ちの人がいる
- 妊娠中や授乳期には頭痛の症状が軽くなる
- 60歳を過ぎる頃から頭痛の症状が軽くなってくる
- 混雑した場所や人混みの場所など酸素の少ない場所にいると頭痛になる
- 週末や仕事が終わった後など、緊張から解放された時に頭痛になる
- 寝すぎた時や寝不足の時に頭痛になる
- アルコール(特に赤ワイン)を飲んだ後に頭痛になる
- 痛みの出ている部分や周囲の血管を指で圧迫すると痛みが軽くなる
- 暗く静かな場所に頭を冷やすと痛みが軽くなる
これらのチェック項目の多くに該当する場合には、あなたの頭痛は片頭痛の可能性が高いので、予防と治療をすることをおすすめします。
重要な項目について、それぞれ簡単に説明します。
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頭の片側が痛い事が多く、両側が痛む場合でも左右差がある
片頭痛は、頭のどちらか一方の片側だけが痛くなる病気だと思われがちですが、決してそれに限るわけではありません。
あくまで片頭痛という病名であり、症状を表しているわけではないことを理解しなければなりません。
多くはないのですが、頭の両側が痛む場合でも片頭痛と診断される人がたくさんいます。
外国の医学統計によると、50パーセントの片頭痛患者が片側性とする医学文献もあるくらいですので、半分くらいは両側性ということになります。決して片頭痛は片側だけが痛む頭痛ではありません。
また、頭の片側といっても様々な態様があります。
右側だけにしか痛みが出ない、又は左側だけにしか痛みが出ないという人はごく少数です。
右側が痛かったり、左側が痛かったり、時には両側が痛かったりと、頭痛の度に変動が生じる人がほとんどです。
頭の両側が痛くなる場合、左右の痛みの程度が同じではなく、両者に痛みの程度の差があることが多いです。
左右ではなく前後に痛みが出ることもあります。片頭痛は、片頭痛の原因のページでも説明したように、血液によって血管が拡張する時に痛みが起こる血管性頭痛です。
頭の左右、側頭部に痛みが出る時には、側頭動脈の領域で血管が拡張して炎症が起こっている場合です。
頭の前の部分である前頭動脈や頭の後ろの部分である後頭動脈で血管が拡張して炎症が起き痛みが生じることもあります。
一般に、欧米人は前頭動脈での痛みが出る場合が多く、日本人は後頭動脈での痛みが出ることが多いと言われています。
頭の前後に痛みがある場合にも片頭痛であるという事がありますので、注意が必要です。
必ずしも全ての場合で診断できるわけではないのですが、簡単な自己診断方法があります。痛みの出ている部分の血管を指で強く頭蓋骨に押しつけて圧迫してみる方法です。
押しつけている間は拡張した血管が収縮するので、痛みが軽くなる場合があります。もし、指で頭の痛い部分を押しつけて痛みが軽くなるのであれば、片頭痛である可能性が高くなります。
心臓の鼓動に合わせてズキンズキン、ドクンドクンと痛む拍動性の性質がある
片頭痛の特徴の1つとして挙げられるのは、痛みが脈拍に一致してズキンズキン・ドクンドクン感じられる事です。
一般的にこの拍動性の痛みは、頭痛の起き始めから痛みがピークに達するまでの間に起こり、頭痛の起き始めから1〜3時間くらいという事が多いです。痛みがピークに達した後は、ガーンとした重い拍動感の無い痛みに変わります。
拍動性のある痛みの原因は、心臓が拍動して血液を送り出すたびに血管の内圧が変化することで、血管が拡張して起こるためと考えられています。
したがって、血管がとても柔らかい子どもや、逆に血管がとても硬くなった高齢者は、拍動感がはっきりしないことが多いので、注意が必要です。
子どもや高齢者でなくても、血管が大きくパンパンに拡張し、強烈な頭痛が起こった時や、反対に血管の拡張がたいして大きくない時には、拍動感がはっきりしないことがあります。
拍動感のある頭痛として片頭痛に似ている症状の低髄液圧性頭痛(脳脊髄液減少症)があります。
低髄液圧性頭痛の拍動感は、片頭痛の拍動感よりも鈍いグワングワンとする痛みで両側性の痛みです。横になって寝ると痛みが和らぎますので、見分けるのに注意が必要です。
食欲低下、吐き気、悪心、嘔吐の症状がある
吐き気、悪心、嘔吐は片頭痛の随伴症状であり、欧米の医学書には、片頭痛の時には約80%くらいの割合で吐き気、悪心、嘔吐があると書かれています。
ただ、欧米人に比べると日本人は吐き気、悪心、嘔吐の症状が出る割合は低いと言われています。
吐き気までは感じなくても片頭痛の時には、食欲が無くなると感じる人はほとんどです。
子どもは大人に比べて、片頭痛の際の吐き気、悪心、嘔吐、食欲低下の割合が高いです。
匂い、光、音、振動などに過敏になる
片頭痛の痛みの和らげ方のページでも解説したように、片頭痛の時には暗くて静かな部屋で頭を冷やすと痛みを和らげるのに効果的です。
片頭痛の時には、光、音、匂いなど様々な外界からの刺激によって頭の痛みが強くなるから、それをシャットアウトすることで、痛みを少しは和らげることができるからです。
片頭痛の時には、体を動かしたり、体が揺れる振動(車の振動など)なども痛みを強める原因になります。
私自身がそうなのですが、頭痛ではない正常な状態の時でも、車の振動などで長時間体が揺さぶられると、それが片頭痛を誘発する原因になることもあります。
匂いに関しては、片頭痛持ちで喫煙者の場合、片頭痛の時にはタバコを吸えなくなる人が多いです。
頭痛が起こる前の段階ではタバコの量が増える人が時々います。タバコには、血管収縮作用があり、片頭痛を少し抑える効果があると言われています。喫煙者の人は、それを経験的に知っていることが多いのでしょう。
ただ、いったん片頭痛の発作が始まってしまうと、タバコを吸うことができなくなるし、片頭痛だけでなく、体全体の健康にも良くないので、できればタバコはやめた方が良いでしょう。
頭痛になる前に、目の前に違和感を感じるなどの前兆がある
片頭痛は前兆のある片頭痛と前兆の無い片頭痛に分けられます。
日本人の多くは前兆の無い片頭痛なのですが、前兆のある片頭痛の人もいて、その場合には、頭痛が起こる前に特徴的な前兆があります。
目の前がギラギラとして眩しく感じる、目の前を星が飛ぶような感じがする、目が見えにくくなるという視覚的な症状が現れます。
これらの症状は、閃輝暗点と呼ばれて前兆のある片頭痛の典型的な症状です。
他にも話しにくくなるという言語障害や体が痺れるといった感覚障害が生じることもあります。
前兆のある片頭痛の場合には、これらの前兆がだんだんと消えていき、頭痛に変わっていきます。
前兆の無い片頭痛でも、このようなはっきりした前兆は無いものの、首や肩が張ったり、生あくびが出たり、頭が重く感じる、何となく違和感を感じるなどの前兆がある場合があります。
頭が痛い時と痛く無い時がはっきりしている(発作性の出現様式)
片頭痛は、ズキンズキン、ガンガンと脈拍に合わせた拍動性の痛みがあるのですが、それが突然発作的に起きるというのが特徴です。
言い換えると、いつも痛いわけではなく、頭が痛い人痛く無い日がはっきりと分かれているということです。
このような頭痛の起こり方を「発作性の出現様式」と言い、片頭痛の診断をするときに重視されます。
逆言うと、だらだらと痛みが続く頭痛の場合には、発作性の出現様式では無いので、片頭痛以外の頭痛を考えなければなりません。
遅くても25歳くらいまでには発症する
片頭痛は、発症する年齢が比較的若いという特徴があります。この点に関しては、欧米人も日本人もあまり変わらず、20歳くらいまでに発症することがほとんどであり、遅くても25歳くらいまでには発症します。
みなさんも、中学生や高校生くらいの頃に、人混みの中に長時間いた時や休日に寝すぎたり、昼寝をしすぎた時に頭痛が出たことはありませんか?
もしそうした経験があり、他のいくつかの項目にもあたるようであれば片頭痛の可能性が高いです。
片頭痛は25歳くらいから痛みが強くなり、30代で痛みが最も強くなることが多いです。
自分の頭痛が25歳を過ぎてから始まったと思う場合でも、実は子どもの頃から頭痛が出ていて、それを忘れていたり、痛みの程度が軽くて記憶に残っていないということもあるので注意が必要です。
50歳以上になってから、はじめて頭痛が発症し、医師による診察を受けた結果、片頭痛と診断されたという人も時々います。
そのような場合には、若い時の頭痛のことを忘れてしまっているということは考えにくいので、誤診という可能性があります。セカンドオピニオンとして別の医師の診察を受けることをおすすめします。
祖父母、両親、兄弟姉妹にも片頭痛持ちの人がいる
まだ、はっきりとした解明されているわけではないのですが、片頭痛は遺伝的な病気であると考えられています。
国内のデータによると、母親の片頭痛は40〜50%の確率で子供に遺伝し、父親の片頭痛は10〜20%の確率で子供に遺伝します。
一卵性双生児の場合、2人のうちの1人には片頭痛があるのには、他方には片頭痛が全く無いというケースもあります。
祖母や祖父には片頭痛があるのに、親にはそれがなくて、孫には片頭痛があるというパターンもあります。これを隔世遺伝と呼びます。
このことから片頭痛には遺伝的要因があると考えられているのですが、それだけでは説明できない事があるため、他にも何らかの後天的な要因が関係しているはずです。
ただ、片頭痛の原因でも説明したように、片頭痛の発症メカニズムの全容はまだ解明されていません。
妊娠中や授乳期には頭痛の症状が軽くなる
これは女性のみに現れる特徴なのですが、妊娠すると約80%の人は片頭痛の症状が軽くなります。頭痛の回数が減ったり、痛みの程度が軽くなったり、中には片頭痛が完全に無くなってしまうという人もいます。
妊娠の初期にはあまり変化のないこともあるのですが、妊娠の中期(妊娠5~7ヶ月(妊娠16~27週))以降になると多くの人で頭痛の改善が見られます。
赤ちゃんを出産すると、早い場合には出産後すぐに片頭痛が再発します。授乳期の間は、以前よりも痛みの軽い状態が続くことが多いのですが、授乳期を終えると再び以前と同じ状態に戻ります。
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60歳を過ぎる頃から頭痛の症状が軽くなってくる
片頭痛は30代で最も痛みが強くなります。40歳を過ぎると痛みがある程度和らいできます。
片頭痛の随伴症状である吐き気、悪心、嘔吐も年齢とともに和らいできます。
60歳を過ぎるくらいになると約80%の人で片頭痛がほとんど消滅します。70歳を過ぎるとほとんどの人で片頭痛が消滅します。
どうして、年齢を重ねるとともに、片頭痛が改善されていくのは解明されていませんが、有力な考え方としては以下のようなものがあります。
それは、年をとるにつれて、動脈が硬くなっていき、血管が拡張しにくくなるからという考え方です。それを裏付けるものとして、70歳で片頭痛が続いている人は脳梗塞になる確率が低いという医学論文があります。
70歳を過ぎても片頭痛が起こるというのは、血管が硬化せずに柔らかいままであり、血管が柔らかいから脳梗塞にもなりにくいということです。
血管が拡張しやすい状況になった時に頭痛が起きやすい
片頭痛は前述のように、頭の動脈の一部が拡張することで炎症が起き、ズキンズキンとした頭の痛みが起きる病気です。したがって、血管が広がるような原因が外界からもたらされたとき、それがきっかけとなって片頭痛が誘発される事があります。
例えば、混雑した映画館、デパート、バス、電車など人混みで酸素が少ないところにいると、脳の血管がたくさんの酸素を取り込もうとして広がります。
運動した時、暑いところにいる時、風邪を引いたりした時など、体温が上がった時にも血管が広がります。
週末の休みの時や仕事が終わった後など、緊張から解放された時には、交感神経の刺激が弱まり、血管の緊張が解けて血管が拡張します。
女性は月経の時にも血管が拡張しやすいので、片頭痛が起こりやすくなります。
寝不足や反対に寝過ぎも片頭痛の原因になります。
よくあるのは仕事や学校が休みの日に寝すぎてしまって、起きた後に片頭痛が起こるというパターンです。また、昼寝のしすぎも片頭痛の誘発原因になります。
これは緊張がゆるみすぎて交感神経が働かず血管が拡張したことが理由と考えられています。
あまり知られていませんが、睡眠が誘発原因になって片頭痛が起こることはよくありますので注意が必要です。最適な時間量の睡眠を規則正しいリズムで取ることが予防に効果的です。
食事性片頭痛と呼ばれる、食べ物が誘発原因となって起こる片頭痛もあります。
食べ物については、片頭痛に悪い食べ物と良い食べ物のページで詳しく説明していますが、アルコールはかなり高い確率で片頭痛の誘発原因となりますので、特に注意が必要です。
片頭痛の予防をする事が何より大切
片頭痛の予防で、最も簡単に始められて効果のある方法がサプリメントを活用することです。
詳しくはこちらの「片頭痛(偏頭痛)に効くサプリメントで副作用なく予防をする方法」で書いていますが、フィーバーヒュー、マグネシウム、ビタミンB2などが片頭痛の予防に効果があると医学的にも証明されています。
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偏頭痛で悩んでいる人はかなり多い
日本で偏頭痛の症状のある人は全人口の8.4%いると言われており、内訳としては前兆のある片頭痛が2.6%、前兆の無い片頭痛が5.8%となっています。
特に20歳〜40歳台の女性が多いのが特徴です。
この数字からかなり多くの人が片頭痛で悩まされていることが分かります。
にもかかわらず、きちんとした生活習慣の改善などによる対策をしたり、医者に診察してもらったりしている人は少ないのが現状です。
アジアでは、5~10%の確率、欧米では10%~15%の確率で片頭痛の症状があるようです。おそらく先進国では精神的なストレスが多いことから片頭痛の割合が多いのだと思われます。
したがって、経済成長著しいアジア各国で、これから片頭痛の症状を有する人の割合が増加していく可能性があります。
片頭痛の詳しい原因についてはこちらのページをご覧ください。
最近では、偏頭痛の患者は、脳梗塞になる可能性が高いという理由で一般の生命保険には加入できないのが通例になっています(緩和型だと入れる場合もある)。
医学的には、片頭痛が脳梗塞の原因になるというはっきりとしたエビデンスは認められていないので、とても残念なことですし、片頭痛の患者さんにとっては極めて酷な現実になっています。