片頭痛の原因を1つずつ治して行きましょう。

偏頭痛の原因としては、以前から血管説、神経説、三叉神経血管説の3つが有力に主張されてきました。

まだ100%正確には解明されていませんが、最近は三叉神経血管系、脳幹部の下行性貪疼痛制御系、各種神経ペプチドが片頭痛に重要な役割を果たしていると考えられており、「三叉神経血管説」が有力になりつつあります。

脳の中にある神経伝達物質であるセロトニン(※1)およびその受容体(5-HT 1B/1D受容体)、三叉神経終末から放出されるcalcitonin gene-related peptide(CGRP)が関係していると考えられています。セロトニン受容体にも様々な種類があり、1Bと1Dという物質が偏頭痛の発病に影響しているという研究結果があります。

また、片頭痛の前兆として現れる症状は、以前は脳血管収縮による現象と考えられていましたが、現在は皮質拡延性抑制(CSD)が原因であると考えられています。

「三叉神経血管説」は、1984年にモスコビッツという人が発表した説です。

頭蓋内にたくさん存在する神経終末という部分が、何らかの理由で刺激されて、血管作動性物質が放出されます。それによって、血管が拡張し、炎症が発生します。

この炎症が脳に伝達されて、痛み、悪心、嘔吐などの症状が現れます。

まだ100%確実な原因解明はされていませんが、中枢性感作と末梢性感作の2つが頭痛に関連しているのは間違いないと考えられています。

片頭痛の原因として、一酸化窒素 、ヒスタミン、セロトニン、グルタミン酸、ドパミン、オレキシン、CGRPなどの神経ペプチドが関与していると主張されていますが、人と動物の実験報告が混在しており、人間の片頭痛の原因としてはまだ定かになっていません。

ただし、片頭痛の痛みが起こるきっかけになるパターンというのはある程度決まっているので、それをできるだけ避けるようにすれば、片頭痛を予防することができます。

それをこれから1つずつ説明していきます。

発症のきっかけになる原因を避ける

片頭痛の発作が発生するきっかけとなる原因には、さまざまなものがありますが、医学的にエビデンスの認められている原因としては以下のようなものがあります。

片頭痛の発生する状況には一定のパターンがあります。日常生活の中で、誘発因子、憎悪因子をうまく取り除くことは片頭痛の予防につながります

片頭痛持ちであると自覚している人は、以下の要因をできるだけ避けるようにして下さい。

精神的原因

ストレス、精神的緊張、疲れ、睡眠不足、睡眠過多などが片頭痛の誘発因子となります。

ストレスは片頭痛の大きな原因の1つであり、約60%の人がストレスを受けている時に、約25%はストレスから解放されたときに頭痛が起こると感じています。

睡眠に関しては、不足している場合だけでなく、寝過ぎることも誘発因子になることがあります。

規則正しい生活を心がけ、短くも長くもない一定の睡眠時間を決めてそれを守るようにしましょう。

約30%が睡眠不足、約25%が睡眠過多の時に頭痛が起こると感じています。

女性特有の原因

女性に特有の原因として、月経の周期と何らかの関係がある場合があります。

外部的環境原因

天候の変化(雨、台風などの低気圧)、急激な温度差などが偏頭痛を発生させる原因となります。

雨が降っていて、天気の悪い日に、偏頭痛が発生し、頭が重く体調の不良を感じることが多いです。

片頭痛患者の実に53%もの人が、天候の変化が片頭痛の原因になると感じています。

行ったことのない場所への旅行も、無意識のうちに精神的な緊張・ストレスを感じていますので、頭痛を誘発することが多いです。

頻回の旅行は、精神的なストレスも多いですし、疲れにもつながるので極めて偏頭痛の原因になる可能性が高いので、できれば控えるようにしましょう。

片頭痛とはのページでも説明していますが、人混みで混雑した電車やバスの中、映画化、デパートなど酸素の少ないところに長時間いると脳の血管がたくさん酸素を取り込もうとして血管が拡張し片頭痛の誘発原因になります。できれば、人混みのある場所を避けるようにしましょう。

風邪をひいた時、暑いところにいる時、運動したときなど、体温が上がる時にも血管が拡張するので、片頭痛が起こりやすいです。

休日や仕事が終わった後など緊張から解放される時には、交感神経の刺激が弱まり、血管の緊張が解けるため血管が拡張し、片頭痛が起こりやすくなります。月経の時にも血管が拡張するので、片頭痛が起こりやすくなります。

休日に寝すぎたり、昼寝をしすぎたりした後も片頭痛が起こりやすいので注意が必要です。睡眠不足だけでなく睡眠の取りすぎや睡眠リズムの乱れにも注意しなければなりません。睡眠をとり過ぎると緊張が緩みすぎて交感神経が働かず血管が拡張するのが原因と考えられています。

食物原因

アルコール・酒は完全に偏頭痛の誘発原因になることが証明されています。偏頭痛で悩んでいる人は、酒・アルコールを飲むのを止める、又は、少なくすることが必要です。

特に赤ワインには、痛みに関連するヒスタミン、血管拡張作用のあるアルコール、ポリフェノールが含まれており、それが頭痛の原因になるとの報告があります。

他にも、酒ほどの影響はありませんが、チーズ、チョコレート、柑橘類、ナッツ類、カフェインの多く含まれているお茶、コーヒーなども頭痛に影響があると言われています。脂肪・脂の多い食べ物などを多く食べる人も偏頭痛持ちの傾向があるとの報告もあります。

ただ、アルコール・酒以外は個人差もありますので、頭の隅においておいて、少し控えめにするという程度で様子を見るのもいいでしょう。片頭痛と食べ物の関係についての詳細は、片頭痛に良い食べ物と悪い食べ物をご覧下さい。

食事に関しては、むやみに制限をするとかえってQOL(Quality of Life)を下げてストレスになり、それが片頭痛の原因になることもあるので、アルコール以外はそれほど気にしすぎる必要はありません

無理のない範囲でバランスのとれた食事を摂ることが予防になります。

片頭痛の共存症(comorbid disorders)

片頭痛にはいくつかの共存症があり、それが原因で片頭痛が引き起こされている可能性があると考えられています。

ただ、共存症については、以下の4つのパターンがあるため、片頭痛の直接の原因になっているかかどうか、はっきりしないものもあるので注意が必要です。

  1. 偶発的に共存している場合。
  2. 共存症が片頭痛の原因になっている、または片頭痛が共存症の原因になっている。
  3. 共通の原因によって、片頭痛および共存症が起きる。
  4. ある遺伝的要因と環境的要因が特定の脳の状態を惹起し、それが片頭痛または共存症の原因になっている。

まず、片頭痛の人には高血圧の人が多いという報告があります。

ただ、片頭痛の人も高血圧の人も多いため、これは偶発的である可能性が高いと考えられています。

次に、前兆のある片頭痛の人は、脳梗塞、虚血性脳卒中のリスクが増加する傾向にあると考えられています。

特に、45歳未満の若年女性、喫煙者、経口避妊薬(ピル)を使用しているとさらにリスクが増加するので、注意が必要です。

前兆の無い片頭痛の人は、脳梗塞や虚血性脳卒中のリスクは増加しないとされています。

また、大うつ病、双極性障害(躁鬱病)、不安障害などの精神的疾患と片頭痛については、有意な相関が認められています

ですので、うつ病などの精神疾患を患っている人は片頭痛に注意しなければなりませんし、反対に片頭痛の人は、精神疾患を患うことに注意しなければなりません。

最後に、てんかん、喘息、アレルギー性疾患、下肢静止不能症候群(restless legs syndrome)、自己免疫疾患、メニエール病、子宮内膜症、胆道疾患、腎結石、甲状腺疾患、線維筋痛症、慢性疲労症候群などの疾患と片頭痛の相関が注目されていますが、まだ今の段階では医学的な根拠は認められていません。

偏頭痛の治療法

前述のように偏頭痛の原因は、血管作動性物質が放出されることによって血管が拡張されることによる炎症です。

したがって、治療法としては、血管作動性物質の放出を抑制し、血管を収縮させることです。

なので、軽度の片頭痛の場合には、市販薬であるバファリンなどの消炎鎮痛剤が効きますが、中度から重度の片頭痛発作の場合には市販薬はほとんど効果がありません。

最近は、病院で処方してもらう必要がありますが、トリプタンという薬が出てきて非常に効果があります。トリプタンについては、片頭痛に効く効果的な薬をご覧下さい。

できるだけ薬を使いたくないという人や、できるだけお金をかけずに片頭痛を予防したいという人にはサプリメントがおすすめです。

片頭痛に効果があると医学的に認められているサプリメントは、フィーバーフュー、ビタミンB2、マグネシウムなどです。

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用語説明

※1セロトニン:生体リズム、神経内分泌、睡眠、体温調節などの生理機能や、気分などの精神機能に影響を与える生理活性アミン、インドールアミンの一種です。